About My Works
- 生々流転への眼差し -
生まれ育った自然豊かな環境や祖母との別れから「生々流転」という現象に興味を持ち、以後作品のテーマとなりました。モチーフとなるイメージは毎年少しずつ変化して来ましたが、根幹となるテーマは変わりません。いつも身近に起こる現象の中に見える「生々流転」を表現しています。私にとって銅版画を使った創作は、腐蝕技法を中心にし、未知なる「生々流転」を自らの中から探り出し、形にすることを目的にしています。腐蝕によってできる物質の変容は不確定で自然現象に似ています。このような不安定な方法を使用する制作方法は、感覚と合致してとても自然なこととなっています。いつも自由であること。未知なるものを模索すること。そして弛まぬ研究をすること。私にとって銅版画制作は、未知なる「生々流転」という指標を探す自己探求の手段なのだと思います。